【日本車 VS 外車】ハッチバック対決 レクサス CT VS VW 新型(8代目)ゴルフ
走りが軽快で取り回しが良く、荷物もしっかりと詰めるハッチバック。
世界中で人気の高いカテゴリーであり、中にはホットハッチと呼ばれるスポーツテイストの強いハッチバックも数多く存在します。
中でも欧州ハッチバックの代表的なモデルがVW ゴルフです。
そこで今回は、日本車代表のレクサス CT200hと、輸入車代表のVW ゴルフを比較検証していきます。
CT200hはFスポーツ(新車販売価格451万円)、ゴルフはeTSI Rラインに純正ナビ“ディスカバリー プロ”、テクノロジーパッケージ、18インチアルミホイール、ラグジュアリーパッケージを装着した車両(新車販売価格448万2000円)を比べていきます。
■エクステリア比較:迫力のCT/シンプルなゴルフ
※画像は2014年式です。
まずはCT。ボディサイズは全長4,355mm×全幅1,765mm×全高1,460mmで、ホイールベースは2,600mmです。
フロントグリルには、レクサスのアイデンティティでもあるスピンドルグリルがあしらわれ、ヘッドライトユニット上部に配置されたL字のクリアランスランプが、洗練された切れ味鋭い表情を作り上げています。
メタリックブラックと漆黒メッキモールをアクセントにし、メッシュタイプになったFスポーツのスピンドルグリルは、大きな迫力とスポーティイメージを演出。
専用リアスポイラーや17インチのハイグロス塗装専用アルミホイールで、足元の引き締めも抜かりなしです。
対するゴルフは、全長4,295mm×全幅1,790mm×全高1,475mmで、ホイールベースは2,620mmとなります。
先代よりもさらにスリムになったラジエータグリルとヘッドライトユニットは、ボディ全体の広がり感を作り出すとともに、後方へのデザインのつながりを印象付けます。
デザイン変更によりCd値が0.275まで改良され、デザインだけでなく燃費の向上などにもつながっています。
Rラインでは専用のバンパーや5ダブルスポーク17インチアルミホイールを装着し、スポーツマインド溢れるエクステリア(外装)デザインに仕上がりました。
アクが強めのCTか、スッキリとした印象のゴルフか。
エクステリアデザインは甲乙つけがたいです。
■インテリア比較:ほぼ同等だが質感はわずかにゴルフが上か
※画像は2014年式です。
インパネ中央部に10.3インチワイドディスプレイが鎮座するCTのインテリア(内装)は、ボタン類が中央部に集まっており、操作のしやすいデザインです。
初代CTから脈々と受け継がれるインテリアデザインは、熟成されている印象を与えますが、同時に少し古さも感じられるのも事実。
※画像は2014年式です。
荷室容量は最大375Lを確保し、リアシートを倒すことなく9.5インチのゴルフバッグを収納できます。
6:4分割のリアシートを倒せば、奥行き最大1,500mmのフラットな空間を作り出すことも可能です。
ゴルフは10インチの大型全面タッチスクリーンのナビゲーションシステムを採用。
スマホのように画面を軽くタッチするだけで反応するシステムは、操作感も良好です。
インパネにはボタン類が少なく、スッキリとした印象を受け、先進性が感じられます。
荷室容量は380Lを確保し、リアシートを倒すと1,237Lの広大なスペースが生まれます。
質感の高さや、スポーツ志向のシートの出来等を考えると、インテリアに関してはゴルフが一歩リードといったところでしょうか。
■走行性能比較:モーターのみでも走行可能なCT/エンジンのアシストに徹するゴルフ
CTに搭載されるパワートレインは1.8L 直列4気筒エンジンにハイブリッドシステムを組み合わせたものです。
エンジン最高出力は73kW(99PS)/5,200rpm、最大トルクは142Nm(14.5kgm)/4,000rpmとなります。
モーター最高出力は60kW(82PS)、最大トルク207Nm(21.1kgm)です。
バッテリーにはニッケル水素電池を採用しています。
WLTCモード燃費は21.3km/Lです。
Fスポーツ専用サスペンションを搭載し、独自のチューニングが施された足回りはシャープなステアリングフィールとフラットなコーナリングを実現し、しなやかな乗り心地を一段と磨き上げています。
ゴルフに搭載されるパワートレインは1.5L 直列4気筒ターボエンジンに48Vマイルドハイブリッドを組み合わせたもので、モーターアシストが少ないのが特徴です。
エンジン最高出力は110kW(150PS)/5,000~6,000rpm、最大トルク250Nm(25.5kgm)/1,500~3,500rpmです。
モーター最高出力は9.4kW(13PS)、最大トルク62Nm(6.3kgm)で、ハイブリッドバッテリーにはリチウムイオン電池を採用。
WLTCモード燃費は17.3km/Lと燃費はCTの方が優れています。
ゴルフに搭載される48Vベルト駆動式スタータージェネレーターは、スターターとしての役割の他、小型電動モーターやジェネレーターとしての役割を果たします。
特にスタート・ストップの多い街中において、ガソリンエンジン単体よりも快適性の向上を実感できる仕様です。
モーター単独で走行できるCTとは違い、ゴルフのハイブリッドシステムは、あくまでエンジンのサポートに徹します。
足回りには専用スポーツサスペンションを装備。
ベースモデルの素性を崩さずにコーナリング限界性能をより高めた味付けとなっています。
エンジンとモーターの両方をパワフルに使用したスポーツハイブリッドを選ぶならCT。
ガソリンエンジンがもたらすダイレクト感を残し、運転の楽しさを維持しながら、ハイブリッドで環境性能も高めたいという方はゴルフがおすすめです。
■安全性能比較:必要な装備はほぼ互角、ただし先進性はゴルフに軍配
安全性能では、CTにレクサスセーフティシステム+、ゴルフにはフォルクスワーゲンオールインセーフティが搭載され、予防安全装備ではほぼ互角です。
しかし、電動パーキングブレーキが非搭載のCTには、ゴルフに搭載されているアダプティブクルーズコントロール”ACC”(全車速追従機能付)が使用できません。
CTに搭載されるレーダークルーズコントロールは完全停止まで追従する全車速追従式ではないので注意が必要です。
レクサス CTとフォルクスワーゲン ゴルフを比較してきました。
どちらもハイブリッドのスポーツハッチバックであり、似た部分が多いものの、パワートレインや安全装備等違いが見える比較でもありました。
燃費、走り、デザイン、安全性等、どの項目を重視するかでおすすめのハッチバックは変わってきます。
今回の比較を参考に人気のスポーツハッチバックを選ぶ基準を作ってみてはいかがでしょうか。