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いまが最後のチャンス?V8モデルを手に入れよう

欧米のスポーツカーでは当たり前のように搭載されていたV型8気筒エンジンですが、いまでは一部のスポーツカーやスペシャルだけが搭載する特別なエンジンになりつつあります。

 

パワーユニットの共用が進んでいる現代にあって、サイズも排気量もそれなりにあるV8エンジンは共用がしづらく、特別なモデルだけが搭載するエンジンになっています。

 

そんな特別なエンジンを搭載するモデルは、ほとんどが一千万円超の高級車。そんな高級で特別なモデルを中古車で手に入れて見ませんか?

 

ダウンサイジングやレスシリンダー化が進む現代にあって、V8エンジンを搭載したモデルに気軽に乗れるのは最後かもしれません。

 

 

■いまだからこそ乗っておきたいV8エンジン車


 

 

環境性能が自動車にとって新しい課題となり、環境にやさしい電気自動車やハイブリッドカーなどが続々と登場しています。

 

いっぽう内燃機関であるエンジンも、大排気量型から小排気量&ターボユニットを組み合わせたダウンサイジングやレスシリンダー化が進んだこともあり、8気筒以上の大排気量エンジンを搭載するクルマは一部の高級車のみとなってしまいました。

 

その流れは欧州はもとより、かつてはV8エンジン車がゴロゴロしていた北米でも同様。しかし中古車であればまだまだ見つかります。

 

 

■フェラーリ工場で作るV8。マセラティ クワトロポルテ


 

 

マセラティ クワトロポルテは、4ドアを備えたラグジュアリーサルーンで、マセラティのフラッグシップモデルに位置づけられています。

 

4代目が生産中止されて以降いちどはラインアップから姿を消していましたが、2003年のフランクフルトモーターショーで復活。

 

この現代的なスタイリングへと変貌を遂げた5代目を経て、現在は2013年にデビューした6代目のクワトロポルテが販売されています。

 

 

この6代目クワトロポルテには、3.0L V6ツインターボと3.8LのV8ツインターボあが用意され、上級モデルのGT SはFR駆動ながら最高出力390kW(530ps)を発揮する3.8LのV8ツインターボが採用されています。

 

500馬力オーバーのエンジンを搭載したエレガントなFRセダンは、マセラティならではのパッケージです。

 

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■ジャガーランドローバーのスポーツユニット。ジャガー Fタイプ


 

 

イギリスの高級車メーカーとして知られるジャガーが2013年から手がけているスポーツカーがFタイプです。

 

発売当初から3.0L V6スーパーチャージャーエンジンとともに5.0L V8スーパーチャージャーエンジンが用意されており、このV8エンジンは最大出力364kW(495ps)という性能を誇っていました。

 

当初、V6とV8の2本立てだったFタイプですが、2017年には2.0L直4INGENIUMエンジンモデルが投入されてダウンサイジングエンジンの波が押し寄せてきます。

 

しかしV8が消滅することはなく、現在でも最高出力331kW(450ps)と423kW(575ps)の、2タイプのV8エンジンが用意されています。

 

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■スポーツカーR8と共通のエンジン。アウディ RS6アバント


 

 

アウディの市販モデルをベースに、Audi Sport社がチューニングを施したスペシャルモデルがRSです。

 

さりげない見た目に、スポーツカーも顔負けのハイパワーエンジンとそれを受け止める足まわり、チューニングされたクワトロシステムを装備したシリーズ最上級のモデルです。

 

ミドルクラスのA6をベースにしたRS6は、2002年にデビュー。初代は、最高出力331kW(450ps)の4.2L V8ツインターボエンジンを搭載していました。

 

2代目は2008年の発売で、5.0L V10ツインターボエンジンを搭載しますが、2012年に登場した3代目では、最高出力412kW(560ps)の4.0L V8エンジンに戻されます。

 

この3代目には2016年に発売されたRS6アバントパフォーマンスも存在し、こちらは同じV8エンジンながら最高出力は445kW(605ps)を発揮していました。

 

現在販売中の4代目RS6アバントは2019年のデビューで、4.0L V8ツインターボに48Vマイルドハイブリッドを組み合わせたパワートレインとなり、最高出力は441kW(600ps)となっています。

 

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■上級グレードのみV8を搭載。ポルシェ カイエン


 

 

ポルシェ初のSUVとして大きな話題を集めたカイエンもV8エンジンを搭載しています。

 

2002年にデビューした初代カイエンは、ベースグレードこそ3.2L V6エンジンを搭載していましたが、カイエンSでは4.5L V8エンジンを縦置きで搭載し、さらに上級グレードのカイエンターボでは、カイエンSのV8にターボチャージャーを搭載していました。

 

その後2010年に登場した2代目では、カイエンSとカイエンターボにV8エンジンを搭載していましたが、2014年のマイナーチェンジでカイエンSはV6へダウンサイジング。

 

2018年登場の現行型ではV8エンジンを搭載するのは、フラッグシップであるカイエンターボのみで、排気量は4.8L。

 

ポルシェのV8エンジン搭載モデルは年々少なくなっています。

 

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■特別なスポーツユニット。レクサス RC F


 

 

レクサスが手がけるスポーツクーペにもV8エンジンを搭載するモデルが用意されています。

 

2014年から販売をスタートしたRCは、レギュラーモデルにV6エンジンや2.5L直4エンジンのハイブリッドなどを設定。スペシャルバージョンであるRC Fにのみ、5.0L V8エンジンが搭載されています。

 

このパワーユニットは、RCの上級モデルであるLCでも採用されている最高出力351kW(477ps)の2UR-GSE型エンジンで、アトキンソンサイクルを使い低燃費と高出力を両立したエンジンとなっています。

 

さらにこのRC Fでは、FRとして世界初の駆動力制御システムTVD(Torque Vectoring Differential)をメーカーオプションで設定しており、後輪の駆動力を左右で電子制御できるようになっています。

 

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かつて憧れの対象だったV8エンジンも、いまでは希少な存在となってしまいました。

 

今後エンジンがどのような方向に向かっていくのかは分かりませんが、V8エンジンがなくなってしまう前に、ぜひいちど乗ってみてはいかがですか。