輸入車は維持費が高いと言われてるのはなぜ?ホントは高くない?
新車での購入金額ももちろんですが、メンテナンス代などを中心に維持費が高いと思われがちな輸入車。
今回は輸入車の維持費が高いと言われる理由はどんなところにあるのか?
国産車と比べるとどうなのか?
注目していきたいと思います。
■輸入車の維持費が高いと思われる理由:壊れやすいというイメージ
輸入車の維持費が高いと言われている理由は、ひと昔前の輸入車は国産車に比べて、壊れやすかったため、そのイメージが根付いているという点が大きいでしょう。
日本の交通環境は、高温多湿の中ストップアンドゴーを繰り返すという世界的にも特殊なものです。
そのような状況では、電装系トラブルが起きることが多くありました。
また電装系の部品代も国産車と異なり高い傾向でした。
日本での流通数が多い国産車の部品に比べて、輸入しなければいけない部品などがあれば部品代などとは別途に、輸送費用が多くかかります。
■輸入車独自のメンテナンスポイント
また、メンテナンスに関係する部分の費用がかかるというのも理由に挙げられるでしょう。
例えば、ブレーキ関係。国産車、輸入車ともの基本的に消耗したブレーキパッドを交換しますが、国産車はブレーキローターをブレーキパッドほど頻繁に交換しません。
しかし輸入車は車種や使用状況によって異なりますが、ブレーキパッド2回交換につき、1回ブレーキローターを交換すると言われています。
これはブレーキローターも消耗させることで高い制動力を発揮しているからです。
そしてオイル関係でもその差は現れています。
速度域が高い走行が多い輸入車は、標準的なモデルでもオイルクーラーを装着していることがあります。
このため同排気量の国産車に比べてオイル量が多く、オイル交換時に使用するオイルも多い傾向にあります。
国産車でオイルクーラーを装着している車両は、ハードな走行を主眼に置いた特殊なスポーツモデルにしか、基本的には装備されていません。
■現代の輸入車が実際それほど維持費はかからない
しかし、現代の輸入車は昔に比べて壊れにくく、メンテナンス費用がかかるという事例は減ってきています。
まず、電装系の故障ですが、各部品メーカーも日本の交通環境を配慮した耐久性を持った部品を開発しているため、昔に比べて信頼性が向上しています。
また、輸入車メーカーの中には、日本の電装系部品メーカーの部品を採用するところもありますので、昔に比べて電装系でのトラブルは減りました。
■メンテナンス費用は国産車と比べてどれくらいの差がある?
実際に現代の輸入車のメンテナンス費用を算出してみましょう。
今回はBMW3シリーズを一例としました。
その中でも中古車市場での流通数が多い320iグレードで見てみましょう。
ポピュラーなエンジンオイル交換を例にしてみます。
エンジンオイル量は5Lとなっています。
同排気量である2000ccクラスの国産車のオイル量が4L前後であることを考えると、やはり多めです。
その分だけオイル費用がかかるということになるかと思われるかもしれませんが、そんなことはありません。
ヨーロッパ車のオイルは環境配慮の面から廃油を減らす考えに基づいて、ロングライフオイルとなっていることが多いです。
日本車の推奨交換時期5000キロ前後と言われることが多い中、BMWをはじめとしたドイツ車は10000キロから15000キロと言われており、場合によっては3万キロと言われる車両もあります。
BMW純正オイルの場合、1Lあたりの金額は2000円前後です。
1回のオイル交換ではオイルの費用が10000万円、これに4000円ほどするオイルフィルターが必要になり、部品代だけで14000円となります。
15000キロごとオイル交換をした場合、1年1万キロとすると、3年間で2回のオイル交換が必要となり、年間のオイル交換にかかる部品代は約9300円です。
国産車の場合、純正オイルの金額は1Lあたり350〜500円程度となっています。
先のBMWと条件を揃えると1回のオイル交換でかかる部品代は2000円、オイル交換2回に1回で交換が推奨されているオイルフィルターが約1500円となっています。
3年間で6回のオイル交換と、3回のフィルター交換が必要です。
すると1年間にかかるオイル交換に関する部品代は5500円となります。
国産車の方が安くはなりますが、輸入車のメンテナンス費用がとんでもなくかかるという訳ではありません。
なお、今回はあくまで一例なので、車種や条件が同じでも金額が同じになるとは限りません。
■維持費を安く抑えるならタイヤ交換もポイント
輸入車に関するメンテナンス費用を抑えたいと思うのならば、キーポイントとなるのはタイヤ選択です。
輸入車ではパンクしても一定以下の速度で走行可能なランフラットタイヤを採用している例が多いです。
もしもの時も安心なタイヤですが、同じ性能を持つノーマルタイヤと比べ、金額が1.3~1.5倍ほど高くなります。
タイヤサイズや銘柄によって異なりますが、1本あたり10000円程度の差が発生するとなると、1台分で4万円の差となります。
このようなことを踏まえるとタイヤ交換の際に同等の性能を持つ、ノーマルタイヤを選択するのもいいでしょう。
その場合は、パンク補修剤やスペアタイヤの携行を忘れないようにしてください。
■しっかりと車選びをするのも維持費を抑える重要なポイント
輸入車の維持費がかさむというのは昔の話。壊れにくくなった現代の輸入車は国産車と比べても、さほど維持費に大きな差はありません。
しかし、中古で購入する場合重要なのはしっかりと整備された輸入車を選ぶということ、維持費を抑えたいのならば購入を検討している個体の状態や、輸入車を販売している中古車店もしっかりと選ぶことが大切です。