予算300万円のプレミアムコンパクトSUV選び。GLAとNXを比較
メルセデス…ベンツとレクサス、プレミアムブランドのなかでも国内で1位2位を争う両ブランドが、現在もっとも力を注いでいるコンパクトSUV。
世界的に人気の市場であり、メルセデスにはGLAクラス、レクサスにはNXが用意されています。
今回は、この2台を300万円以下で購入できる中古車市場に目を向けて、迷ってしまう両車のどちらを選ぶと良いのか、考えていきます。
■現行モデルは2代目。狙い目は初代GLA
メルセデスのGLAクラスは、2020年にフルモデルチェンジを行い、現在は2代目となっていますが、300万円以内の予算で考えると、2014年から2020年まで販売されていた、初代モデルの中古車が対象となります。
おおまかなラインアップは、1.6L直列4気筒ターボエンジンに、駆動方式はFFのみのGLA180、2.0L直列4気筒ターボエンジンにAWDのGLA250 4MATIC、ハイパフォーマンスモデルとしてAMG GLA 45 4MATICに加え、2017年にはGLA250 のエンジン出力を、やや抑えたもので、価格もGLA250 より安く設定されたGLA220 4MATICが登場します。
ボディサイズは、全長4,430mm×全幅1,805mm×全高1,505～1,510mmで、ホイールベースは2,700mmというもので、市街地でも取り回しやすく人気のモデルです。
そのなかで、300万円の予算で確実に探せるのは、2WDのGLA180と、GLA250 4MATICのマイナーチェンジ前のモデルです。
■レクサスのコンパクトSUV。NXはこれからが旬
2017年に行われたマイナーチェンジ後のモデルが現行モデルとなるのがNXです。
300万円以内の予算では、このマイナーチェンジ前のモデル(2014年～2016年)がターゲットとなります。
ボディサイズは、全長4,630mm×全幅1,845mm×全高1,645mmで、ホイールベースは2660mmで、NX200tには2.0L直列4気筒ターボエンジンを搭載し、駆動方式はFFとAWD、NX300hは2.5L直列4気筒ハイブリッドエンジンを搭載し、駆動方式はFFと4WDのE-fourというラインアップです。
さらにグレード体系が、ベースグレード、I Package、F SPORT、version Lという4つにわかれており、予算300万円ならはNX200tのベースグレードもしくはI Package、さらに200万円台後半でNX300ｈも台数は少ないながら見つけることが可能です。
■GLA180とNX200t Iパッケージを比較
まずは、動力性能です。
GLA180は、最高出力90kW(122PS)/5,000rpm、最大トルク200Nm(20.4kgfm)/1,250rpmを発生する1.6Lターボエンジンに、組み合わされるトランスミッションは7速ATです。
対するNXは、最高出力175kW(238PS)/4,800～5,600rpm、最大トルク350Nm(35.7kgfm)/1,650～4,000rpmを発生する2.0Lターボエンジンで、トランスミッションは6速ATです。
数値としてはNXのほうが上回っていますが、実際に走行してみると、動力性能の差は大きく感じません。
特にGLA180の低回転域から太いトルクを生み出すターボエンジンは、ストップ＆ゴーの多い市街地での運転では、スムーズな加速をし、きびきびと走ってくれる印象があり、スポーティさで言えばNXよりも好感触です。
ただし高速域では、NXの2.0Lターボエンジンが余裕の走りを見せてくれます。
6速ATとなるため、やや回転数は高めのクルージングとなりますが、レクサスの静かで余裕のある走りは、しっかりと体感できるでしょう。
7速ATのGLA180は、回転数を抑えた巡行ができますが、合流、追い越しなどの再加速をかけた際に若干のパワー不足が気になります。
室内はシンプルでスタイリッシュな設計となっているGLA180と、SUVのゴツさを表現しているNXでは対照的な印象です。
黒基調の内装にシルバー加飾やメッキ加飾が行われ、整然とスイッチ類が並ぶGLA180の室内は、まさにコクピット、運転に集中できる環境が整っています。
シートは深めに腰掛けられるおおぶりなものになっており、運転席に座った時のアイポイントは、SUVでは低めの位置にあります。
対するNXは、曲線を多く使ったデザインで、エアコン、オーディオ、シフト系の操作パネルが、S字に曲がって配置されます。
スイッチ類は、大小さまざまなサイズで配置されており、使いやすさのなかに、遊び心が取り入れられた室内になっています。
気になる安全装備面は、GLA180ではCPAプラス(緊急ブレーキ機能)や、長時間走行時のドライバーの疲労や眠気を検知するアテンションアシストを標準装備するほか、レーダークルーズ機能（ディストロニックプラス）や駐車支援機能がパッケージオプションで用意されました。
いっぽうNXは、予防安全装備はすべてオプション設定で、プリクラッシュセーフティシステムやレーダークルーズコントロールが標準装備されるのは、2017年9月のマイナーチェンジ後からとなる点に注意が必要です。
車両ごとにメーカーオプションの搭載状況は変わるので、衝突被害軽減ブレーキ等の装備が必要な方は、しっかりと搭載の有無を確認したいところですね。
日独を代表するプレミアムコンパクトSUVの2台を比較した際、中古車価格でお得感があるのはGLA180、アフターフォーローを含めた信頼感ならNX200t、都市型SUVにキビキビした走りやスポーティさを求めるならGLA180、静粛性や安心感を求めるならNX200tとなります。
いずれにしても、この2台を比較検討する場合、重要視する装備やポイントを事前にしっかりと作っておくことも重要。そうしないと、さまざまなオプション装備で迷うことになりますよ。
