【メルセデスのエントリーモデル】3代目Aクラスってどんなクルマ?
メルセデス・ベンツ初のFFコンパクトカーとしてデビューしたAクラス。
もともとはフロアを2層式のサンドイッチ構造にした電気自動車用モデルとして設計されていましたが、その後同コンセプトは廃止となり、メルセデス最小シリーズという位置づけで現在まで販売が行なわれています。
現在販売されているのは4代目ですが、ここでは2012年から2018年まで販売されていた3代目モデルをフィーチャーしてお届けします。
■新世代スポーツコンセプトとして生まれ変わった3代目
2012年のジュネーブショーで発表された3代目Aクラスは、先代までのBセグメントからCセグメントへと移行されており、全長を405mmに延伸。
またボディ構造はそれまでのサンドイッチ構造から決別し、2代目Bクラスでも採用されているMFAプラットフォームが使われています。
SLS AMGなどを手掛けたデザイナー、マーク・フェザーストーンによるスタイリングは、それまでのAクラスから大胆にイメージチェンジが図られており、ワイド&ローなフォルムが特徴。
車高は先代より160mmも下げられており、これによってCd値は0.27と大幅に向上しています。
大型化されたフロントマスクや、サイドにつく2本のキャラクターライン、そして力強いリアデザインなど、スポーティさを前面に押し出し、スタイリッシュに仕上げています。
■洗練された室内空間
エクステリア(外装)同様、インテリア(内装)のデザインも一新した3代目Aクラス。
ジェット機のエンジンをモチーフにした丸型のエアアウトレットや立体的なダッシュボードを採用し、アグレッシブかつスポーティな空間を演出しています。
またヘッドレスト下部にはアンビエントライトとシャドウシルバーのインサートが配されており、夜間時には上質な雰囲気を醸し出します。
またサイドステップには“Mercedes-Benz”のロゴマークが輝くイルミネーテッドステップカバーが用いられています。
コンパクトクラスでは唯一、全モデルにヘッドレスト一体型スポーツシートを採用するとともに、後席は2:1分割可倒式シートを全車に標準装備。
用途に合わせて341〜1,157Lもの荷室容量にアレンジできるようになっています。
■アグレッシブさを強調する走行性能
パワートレインは1.6L 4直噴ターボと2.0L 直4直噴ターボの2種類を用意。
1.6Lエンジンは最高出力90kW(122PS)/5,000rpm、最大トルク200Nm(20.4kgm)/1,250〜4,000rpmを発生し、ゆとりある動力性能を発揮します。
さらに第3世代となる直噴システムのBlueDIRECTテクノロジーおよびECOスタート・ストップ機能によって、JC08モード燃費は15.9km/Lと従来比約34%もの向上を実現しています。
トランスミッションはデュアクラッチテクノロジーによる7G-DCTを組み合わせ、ステアリングを握ったままでギア操作が可能なパドルシフトを全車に標準装備しています。
ハイパフォーマンス版のA250スポーツに搭載される2.0L直4ターボは、最高出力155kW(210PS)/5,500rpm、最大トルク350Nm(35.7kgm)/1,200〜4,000rpm、0-100km/h加速は6.6秒というスペックを誇り、電動パワステやトランスミッションには専用チューニングが施されています。
■コンパクトクラスながら充実した安全性能
安全面では、レーダー型の衝突警告システムCPAや、長時間走行時のドライバーの疲労や眠気をパラメーターで検知するアテンションアシストを全車に標準装備。
ほかにも駐車時のストレスを軽減するパーキングアシストリアビューカメラを全車に標準装備したり、自動ステアリング機能で縦列駐車をサポートするアクティブパーキングアシストを設定するなど運転支援機能も充実しています。
ボディパネルには高張力鋼板&超高張力鋼板を全体の約66%に使用し、堅牢性を確保。
一方で、フロント部にはソフトノーズを採用することで衝突時の対歩行者安全性を高めています。
さらにフロントバンパー内のセンサアーが衝突事故を感知すると火薬式のエンジンフードリフターが作動してボンネット後端が持ち上がるアクティブボンネットも採用。
これによって、より広くクラッシャブルゾーンが確保できるようになっています。
■中古車市場はどのくらい?
3代目Aクラスの発売当初の車両本体価格は、A 180 ブルーエフィシェンシーが284万円、A 180ブルーエフィシェンシー スポーツが335万円、A 250 シュポルトが420万円。
発売から10年近くが経過しているので、中古車市場は割安です。
状態や年式によって異なるものの、100〜250万円の範囲でも十分お買い得な中古車が見つかるでしょう。