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【20201年版】ディスカバリーファミリーの末弟!ランドローバー 2代目ディスカバリースポーツを解説

 

■ディスカバリーファミリーの末弟、ディスカバリースポーツ!


 

 

2021年現在、ランドローバーが販売するモデルは、ラグジュアリー性と充実の装備、フラグシップに相応しい車格を持つ「レンジローバーファミリー」、タフネスさと頑強さ、突出した悪路走破性能を追求した「ディフェンダーファミリー」、そして今回紹介するディスカバリースポーツが属する、多用途性を重視しアクティブなユーザーに好まれる「ディスカバリーファミリー」の3系統に分かれています。

 

それではそのディスカバリーファミリーより、2014年に初代が発売され、現在2代目の販売が好調な末弟、ディスカバリースポーツを解説します。

 

 

■イヴォークとプラットフォームを共有するコンパクトSUV


 

 

初代ディスカバリーの誕生経緯は、走行性能や動力性能をそのままに各パーツのグレードを落とすなどして生まれた「レンジローバーの弟分」だった訳ですが、3代目からはレンジローバーと独立してプレミアムSUVへの道を歩み始め、4代目ディスカバリーともなると、もはや他社であれば旗艦車種になれるであろう高級感と装備を誇るモデルに成長しました。

 

そしてディスカバリーの名を持つコンパクトSUVとして、同社レンジローバー系に属するレンジローバーイヴォークと設計を共通化したコンパクトSUV、ディスカバリースポーツが生まれました。

 

現在販売されているのはイヴォークとともに新プラットフォーム(新プレミアム・トランスバース・アーキテクチャ)を採用した2019年にモデルチェンジされた2代目にあたり、各部のブラッシュアップと改良が進められたものとなっています。

 

 

■スポーティなデザインは実は兄貴分より先に実装


 

 

2019年発売の2代目ディスカバリースポーツは、同社の5代目ディスカバリー(2017年〜)の後に発売された車種ですが、実はこの流麗なクーペライクなデザインは、5代目ディスカバリーにさきがけて、初代ディスカバリースポーツにすでに採用されていました。

 

フリーランダー2の実質的な後継として初代ディスカバリースポーツが発表されたのは2014年。

 

その頃のディスカバリーは4代目のスクエアなデザインでした。

 

ディスカバリースポーツスポーツという名前から、当初は「ディスカバリー系にもスポーティなコンパクトSUVが出た!」と話題になったものの、実際には裏でディスカバリーファミリーのデザイン刷新が進められていたのでしょう。

 

2つのモデルはスラントしたヘッドライトやグリル周り、湾曲したクラムシェル(貝殻)ボンネットなど、各部に共通したイメージを持っており、これが今のディスカバリーファミリーの顔なのです。

 

ボディサイズは全長4,610mm×全幅1,905mm×全高1,725mmで、車重は2,010kg(5人乗り、サンルーフ非装着車)。

 

数字だけ見るとコンパクトとは名ばかりで、日本においては特に全幅がかなり広い部類です。

 

この辺りはヨーロッパが主戦場の車種なのを感じる部分でもありますが、乗ってみるとその短いフロントオーバーハングや見切りの良さが幸いして、意外なほどそのサイズは感じられません。

 

 

■シンプルな中にも最新のテクノロジーを詰め込んだインテリア


 

 

設計を共通化しているイヴォークの先進的なインテリア(内装)と比較すると、ディスカバリースポーツのコクピット周りはとにかくシンプル、質実剛健のひとこと。

 

各部パネルに余計な装飾やツマミなどは一切ないに等しく、上質な表皮素材の良さをそのまま活かしながら、ランドローバー伝統のコマンド・ポジション(高い座面と広いガラス面積による高視認性を確保したドライビングポジションの通称)での使い勝手を重視した、オフローダー寄りのインテリアです。

 

ホリゾンタル(平行)を意識させる直線基調の各部パネルはオフロード走行時の平衡感覚を保つ為のもので、これだけであれば各国のオフロードモデルにも採用されている特徴なのですが、ことランドローバーはここに英国流のダンディズムというか、エレガントさをプラスする事に長けたメーカーとして知られています。

 

シルエットだけ見れば無骨なデザインですが、各部に効果的にあしらわれたレザーやメタルパーツと奥行きのあるパネルラインによって、他メーカーの同格車とは似ても似つかない、非常に独特の存在感を持つ空間を演出しています。

 

コンフィギュラブルダイナミクスと呼ばれる電子制御は10インチのディスプレイを使ってコクピットからサスペンションやステアリングのセッティングをリアルタイムに変更する事を可能にし、またテレインレスポンス2(オート4WD)などのドライバーエイドもすぐ手が伸びる位置での操作が可能。

 

オールテレインプログレスコントロール(ATPC:オフロードオートクルーズ機能)までも搭載され、このクルマの根底にあるのは全天候型のクロカンSUVの思想である事が垣間見れます。

 

また、この車格と全長で3列目シートが確保されている事も驚きのポイントです。

 

荷室容量(VDA方式)も最大時(2名乗車時)で実に1,574L。

 

普段使いを前提として5名乗車時の数値を出しても、3列目を畳んだだけで963Lもの大容量。

 

これには荷室に干渉する部分を可能な限り減らしたリアサスペンションの設計や、電装系の配置の工夫などが効いているようです。

 

 

■エンジンは3種類:ディーゼルにはマイルドハイブリッドも!


 

 

2021年現在ディスカバリースポーツに用意されているエンジンは以下の3種類です。

 

・P200 (ガソリン 1,995cc 直列4気筒ターボ)

最大出力:147kW(200PS)/5,500rpm

最大トルク:320Nm(32.6kgm)/1,500rpm

燃料消費量:9.6km/L(WLTCモード)

 

・P250 (ガソリン 1,995cc 直列4気筒ターボ:Rダイナミックのみ)

最大出力:183kW(249PS)/5,500rpm

最大トルク:365Nm(37.2kgm)/1,500〜4,500rpm

燃料消費量:9.6km/L(WLTCモード)

 

・D200 MHEV (ディーゼル 1,997cc 直列4気筒マイルドハイブリッドターボ)

最大出力:150kW(204PS)/3,750rpm

最大トルク:430Nm(43.8kgm)/1,750〜2,500rpm

燃料消費量:13.2km/L(WLTCモード)

 

ガソリンエンジンであるP200、P250については車格なりの十分なパワーを持っています。

 

特にP250(Rダイナミックにのみ用意)はP200と比較して大幅なパワーアップを実現しているにもかかわらず燃料消費量は据え置きで、改良型のツインスクロールターボを搭載する事によりスポーツグレードに相応しいレスポンスを獲得しています。

 

そして注目すべきは2021年モデルから改良・追加されたD200 MHEV。

 

前モデルまでのD180[132kW(180PS)/430Nm(43.8kgm)]からパワーアップした事はもちろん、先述したイヴォークとのプラットフォーム共通化により実現したマイルドハイブリッドの搭載が目玉となっています。

 

MHEVのメカニズム自体は既にイヴォークで培われたノウハウがありますし、数値から分かる通りかなりトルクフルなエンジン、加えてここにマイルドハイブリッド。

 

燃料消費量も大幅に改善され、組み合わされる9速ATのスムーズさもあってどんなシーンでも快適なパワートレインなのは疑いようもありません。

 

 

■ランドローバー社が誇る安全装備を多数装備


 

 

ディスカバリースポーツにはランドローバー社のSUVが誇る安全装備が多数用意されています。

 

標準装備されているのはエマージェンシーブレーキ、マニュアルスピードリミッター、レーンキープアシスト。

 

さらに、ドライバーの状態をステア操作から感知して休憩を提案するドライバーコンディションモニターが装備されています。

 

オプション扱いとしては前走車との距離を自動的に調節するアダプティブクルーズコントロール、高速時でも自動的に前の車両を感知してブレーキを作動させるハイスピードエマージェンシーブレーキ。

 

それらに加えて、死角に位置する他車を検知、ミラーに警告を表示+ステアリングアシストを介入させて衝突を回避するブラインドスポットアシストなどが用意され、ドライバーの好みに応じて追加する事ができるようになっています。

 

SRSエアバッグは計6箇所、ISOFIX規格のチャイルドシート取り付け部も装備され、家族でも安心してドライブする事ができます。

 

 

■コンパクトの名に収まらないディスカバリースポーツ


 

 

マイナーチェンジでよりいっそうの拡張性を手に入れた結果、今後PHEVの追加も秒読み状態となっており(イギリス本国では導入済)、更なる躍進が期待されます。

 

コンパクトSUVという扱いで、イヴォークとともにランドローバーブランドの末弟として販売されているディスカバリースポーツは、そのクラスを超えた装備や魅力を持った1台と言えますね。

 

 

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