『キュートでおしゃれな輸入Aセグメントで行こう!』
「Aセグメント」とは、欧州での自動車のカテゴリーのひとつです。
日本では軽自動車、コンパクトカー、ミドルクラス、のように比較的おおまかに分けることが多いのですが、欧州ではもっと細かく別れており、Aセグメントはこのうち一番小さなクルマの区分となります。
そんな小さな輸入車=Aセグメントの魅力と車種について解説していきます。
■魅力的な欧州Aセグメント
欧州では市街地の道路が狭く、また路上に縦列駐車でクルマを駐めるという道路事情があるため、コンパクトなクルマが好まれる傾向があります。
ですからAセグメントは都市部で人気のカテゴリーです。
日本で言えば軽自動車のような存在ですが、軽自動車のように厳密な規格はなく、ある一定の居住性を確保するため、ボディサイズ(特に全幅)はそれなりにあります。
また欧州の高速道路は日本よりもアベレージスピードが高く、最高時速が130km/hに設定されている区間も多いため、小さなAセグメントとはいえ、ある程度のパワーや走行安定性が求められます。
そのため排気量1.0L前後がラインアップの中心になっています。
■Aセグメントにはどんなモデルがある!?
代表的なモデルをピックアップ そんな輸入Aセグメントにはどんな車種があるのでしょうか。
・名車をモチーフにしたキュートな外観:フィアット500
フィアット500は、日本でも人気のイタリアンコンパクトハッチバックモデルです。
愛らしいデザインに3ドアハッチバックのバランスの取れたフォルム、1.2Lエンジンや875ccのTwin-Airエンジンなど、特徴的なメカニズムも自慢で、これまでなんと約100種類もの限定モデルが販売されてきたことなども話題となっています。
ヨーロッパ全体でも2021年のAセグメント販売ランキングでトップ。
3ドアハッチバックは実用性の面から販売面で不利と言われる日本でも、国内販売台数が11年連続で4,000台を超えるという人気ぶりです。
イタリアを代表するアイコニックなクルマが、いかに魅力的であるかがお分かりかと思います。
・コンパクトな体躯でも質と走りはVWそのもの:VW アップ!
フォルクスワーゲンのラインアップ中もっとも小さなモデルとして2012年に発売されたアップ。
ボディサイズは全長3,545mm×全幅1,650mm×全高1,495mm、ホイールベースは2,420mmで、3ドアと5ドアが設定されています。
コロンとしたフォルムと微笑むようにデザインされたバンパーの意匠はなんとも愛嬌があり、親しみを感じさせてくれます。
1.0L 直列3気筒DOHCガソリンエンジン搭載に5速ATできびきびと走り、JC08モード燃費も23.1km/hという低燃費です。
専用バンパーやルーフレール、16インチアルミホイールでSUV風に仕上げた「クロス アップ!」や、6速MT、スポーツサスペンション、17インチアルミホイールで仕上げたスポーティモデルの「GTi」 などもラインアップされました。
・珍しいRRレイアウトのコンパクトカー:ルノー トゥインゴ
現行型のトゥインゴは2016年に発売されましたが、近年の小型車の常識を覆すRRレイアウト(後部エンジン、後輪駆動)で登場して話題となりました。
RRのメリットとしては、通常FFだとフロントに搭載するエンジンがないためその部分にスペースが生まれ、タイヤの切れ角が増やせるので高い小回り性能を確保できることです。
その最小回転半径は4.3mと日本の軽自動車並。
それでいて0.9Lターボエンジンと電子制御6速ATでパワフルな走りを楽しむことができます(インテンス MTは1.0L自然吸気エンジン+MT)。
・実用性を重視するなら500よりもコッチ?:フィアット パンダ
500と並びイタリアを代表するAセグメントモデルです。
500と同じプラットフォームを採用していますが、こちらは5ドアで背も高く、より実用的なモデルといったところでしょうか。
四角と丸のあいだの“スクワークル”をデザインモチーフにした個性的なデザインが特徴で、外観、内装の随所にこのモチーフが取り入れられています。
長く乗っても飽きが来ないデザインと言えますね。
四輪駆動の「4×4」やクロスオーバー風の力強い専用デザインが与えられた「パンダクロス」といった限定モデルが設定されているのも、アウトドア派にはたまらない魅力です。
・軽自動車もびっくりの最小回転半径:スマート フォーツー
スマート フォーツーは、メルセデスの技術を投入して仕上げられたシティコミューターです。
2ドアで2人乗りと割り切ったパッケージングですが、全長3,550mm×全幅1,665mm×全高1,545mmというコンパクトなボディサイズで、3.3mという最小回転半径で狭い駐車場でもラクラクです。
ラゲッジスペースも通常時で260Lとなかなかの容量を確保。
普段の買い物でも十分実用的な広さがあります。
リアのガラスハッチのみ開けることができるのも便利なポイントですね。
日本では軽自動車の人気が非常に高いですが、欧州Aセグメントのモデルたちもそれに負けないぐらいの扱いやすさと魅力があります。
日本車では最近めっきり少なくなったMTが設定されているモデルもありますので、スポーティな走りを楽しみたい方にもおすすめ。
小回りがきいてキビキビと、かつ高速道路でも安定した走りが楽しめるAセグメントモデルはいかがでしょうか?